台湾・中国の烏龍茶「鉄観音」を学んでいこう✨
❝鉄観音❞という烏龍茶は日本でも知っている方が割といるのではないでしょうか?
香りが強くて油ものと相性が良いので、日本の中華料理店や飲茶のお店でよく提供されることが多いお茶です。
今回は、その鉄観音がどんなお茶なのかをあらためて学んでみる「学習編」。
お茶の知識を増やしたい方、お茶の世界を覗きたい方はぜひチェックしてみてくださいね😊
鉄観音ってどんなお茶?

鉄観音は、烏龍茶の品種のひとつで、約300年前に中国・福建省の安渓(あんけい)という山あいの町で生まれたお茶です。
しっかりした香りと、すっきりした後味が楽しめるのが特徴。
鉄観音は台湾にも伝わり、焙煎を少し強めにしたり、香りをふくらませたりと、台湾ならではの工夫が加わりました。
今では「中国の鉄観音」「台湾の鉄観音」と、それぞれに違った魅力があって、飲み比べるのも楽しいお茶です🍵
ハナ鉄観音は『てっかんのん』と読むよ💡
中国語ではTiě Guān Yīn(ティエ グァン イン)🌿
鉄観音の名前の由来


名前の由来にはいくつかの説があって、たとえば──
- 安渓の茶農家が、観音岩のそばに生えていた茶の木を持ち帰り、挿し木で増やしたという説
- 福建省の南山で、鉄観石の間に生えている茶の木を見つけて持ち帰ったという説
- 観音菩薩から授かったという説
- 茶葉の形が、鉄で作られた観音菩薩像に似ていたという説
どの説にも「観音さま」という言葉が出てくるのです。
昔から特別なお茶として扱われてきたことがわかりますね。



観音様は仏教にでてくる仏様なんちゃ🌿
悲しい人・苦しい人のそばに寄りそってくれる、やさしい仏様ちゃ✨
どんなものが「鉄観音」と名乗れるの?


基本は、“鉄観音という品種の茶葉でつくった烏龍茶”だけが鉄観音と呼べます。
鉄観音というのは、お茶の木の名前(=品種)。
だから、ほかの品種でつくった烏龍茶は、どんなに味が似ていても「鉄観音」とは言えません。



緑茶・烏龍茶・紅茶はぜんぶ 同じチャノキ(Camellia sinensis) から作られるけれど、
そのチャノキの中にも実はいろいろな品種があるんだよね😊



苺は苺でも
「あまおう」「とちおとめ」「あまりん」「かおりの」…と種類があるちゃ。
鉄観音も、それと同じ“品種のひとつ”だと思えばOKちゃ!
お茶はチャノキの葉をどう加工するかによって、
「緑茶・烏龍茶・紅茶・白茶…」とまったく別のお茶になります。
だから理論上は、鉄観音という品種の葉を使って緑茶・紅茶・白茶を作ることもできます。
でも実際には、鉄観音は 烏龍茶にすることで一番魅力が引き出される品種 なので、
多くの生産者は烏龍茶として仕上げています。
そのため、私たちが目にする「鉄観音」は、ほぼすべて烏龍茶です😊🌿
鉄観音にはいろいろなタイプがある!
鉄観音といっても焙煎の強さ・熟成・台湾式かどうかで味わいがまったく変わります。
ここでは「これだけ覚えておけばOK」という代表的な種類をまとめていきます!
中国・安渓(あんけい)鉄観音


安渓鉄観音は発祥の地・中国福建省で作られる“本家”の鉄観音です。
さらに3つのタイプに分かれます。
- 発酵が軽め
- 花のような香り
- スッキリ系(日本人が飲みやすい)
- 一番よく流通していて見つけやすい



さらにもっともっと細かい分類もあるみたいだけど、初心者さんはこの3タイプを覚えておけばOKなのだ🌿



ネットで探してみると、作りやすくて流通量の多い“清香タイプ”はすぐ見つかるけれど、
時間と手間がかかる“陳香タイプ”はほとんど見つけられなかったよ…😫
台湾鉄観音(代表:木柵(ぼくさく)鉄観音)


福建省の技術が台湾に渡り、台湾らしく発展した鉄観音です。
台湾の鉄観音の中でも特に有名なのが、台北・木柵地区で作られる「木柵鉄観音」。
発酵しっかり、焙煎強めで、香ばしいタイプが多いのが特徴です。
そして台湾では、名間やその他の地域でも少量ながら鉄観音が作られています。
そのため「台湾の鉄観音=全部木柵」というわけではありません😊
台湾の鉄観音全体で見ると、
発酵は中度〜やや軽め、焙煎は❝中〜強め(特に木柵は強め)❞で仕上げられることが多いです。



私にとって台湾の鉄観音は、
「なんか濃いお茶が飲みたい!」というときに手に取るイメージ。
それくらい味わいがしっかりしているお茶なんだよ💡
フレーバー鉄観音(着香タイプ)


鉄観音は香りが強いので、フレーバーティーのベースにぴったり。
花や果物、ハーブの香りをあとづけした鉄観音がたくさんあります。
●よくあるフレーバー鉄観音
- 桂花鉄観音…金木犀の香り
- 茉莉鉄観音…ジャスミンの香り
- 蜂蜜鉄観音…蜂蜜香料を軽くまとわせたタイプ
- 果香鉄観音(フルーツ系)…ピーチ・ライチ・レモングラスなど



私は着香タイプは少し苦手なことが多いんだけど…
(お茶を甘くしたりミルク入れたりするのも苦手)
フルーツやお花の香りが好きな方には“アロマ感覚”で楽しめるお茶だよ😊✨
お茶そのものより“香りで気分を変えたい人”にぴったりだね😊🌿
鉄観音ってどんな味のお茶?
鉄観音の一番の特徴は 「華やかで強い香り」。
個性がはっきりしているので記憶に残りやすく、「烏龍茶といえば鉄観音の香り!」という人も多いお茶です。
ただし鉄観音は、
どこで育てられたか(産地)
どう加工されたか(焙煎・発酵・熟成など)
によって香りや味が大きく変わります。
そのため「鉄観音はこういう味!」と一言でまとめるのは難しく、
産地+加工の仕方 の両方を見ると、自分好みの鉄観音に出会いやすくなります。
ここからは、中国と台湾それぞれの鉄観音の特徴をまとめていくので、ぜひ比べながら読んでみてくださいね😊
中国鉄観音と台湾鉄観音の違い
どちらも同じ「鉄観音」という品種のお茶ですが、
育つ場所(産地) と 仕上げ方(焙煎・発酵などの製法) が違うため、香りや味わいにそれぞれ個性が出ます。
- どちらも鉄観音という品種の茶葉を使う
- 「蘭のような香り」「華やかさ」を大切にしている
- 基本的に烏龍茶として加工される
- 萎凋・揺青・殺青・焙煎など、基礎となる工程は共通
→ 土台は同じなので、まったく別物ではありません。
💡ちがいが出るポイント
- 中国・安渓
→ 標高低めで温暖、香りが立ちやすい - 台湾・木柵
→ 標高や湿度が違い、深みのある味になりやすい
同じ品種でも育つ土地で味が変わります。



中国鉄観音は軽やかな味わいの清香型が人気で、若い世代を中心にブームなんだって💡
台湾では“焙煎で魅せる鉄観音” が文化として根づいているから、味わいがしっかりしているものが多いよ😊
✨ 発酵・焙煎の比較まとめ
| 地域 | 発酵 | 焙煎 | 味の印象 |
| 中国・安渓(清香型) | ごく軽い | 弱い | 爽やか・華やか |
| 中国・安渓(濃香型/陳香型) | 中〜強い | 中〜強い | コク・深み・熟成感 |
| 台湾・鉄観音 | 中〜やや軽い | 中~強い(特に木柵はかなり強い) | 香ばしい+爽やかさ少し |



飲み比べると違いがすごく分かりやすいから、興味がある人はぜひ試してみてちゃ~🌿
鉄観音Q&A
鉄観音はなぜ油っこい食事に合うと言われているの?
さっぱり流してくれる“洗い流し効果”があるから😊🌿
鉄観音は烏龍茶の中でも
- 香りが強い(鼻にスッと抜ける)
- ほどよい渋みとコクがある
- 後味がスッと切れる
という特徴があって、口の中の 油っぽさをサラッと流してくれます。
中華料理や揚げ物と一緒に飲むと、
「リセットされた!」って感じがして、次のひと口がまたおいしくなるのです✨
だから“油っこい食事に合うお茶”と言われています。
鉄観音を飲むのに
「おすすめのタイミング」と「避けたほうがいいタイミング」を教えて!
🍵 おすすめのタイミング
- 食後・脂っこいもののあと・デザートのあと
鉄観音のほどよい渋みや香りが口の中をすっきりさせて、油っぽさや重さをリセットしてくれやすい。 - 午後のひと息タイム
カフェインがあるので、軽い眠気対策や気分転換にちょうどいい。コーヒーより刺激がやさしいのもポイント。
🚫 避けたほうがいいタイミング
- 夜、寝る前
鉄観音(=烏龍茶)はカフェイン入り。敏感な人は、寝つきが悪くなったり眠りが浅くなることも… - 空腹のとき
お腹が空っぽだと、渋みや刺激で胃がムズムズしたり痛くなったりすることがある。軽く何か食べてからのほうが安心。 - 鉄分をしっかり摂りたい食事の前後
お茶の渋み(タンニン)が鉄分の吸収をじゃまする場合があると言われているので、鉄分補給が目的のときは“お茶の時間”と少しずらすのがおすすめ。



私は胃が少し疲れている時に鉄観音をガブガブ飲むと調子を崩しやすいから、体調が万全のときに飲むようにしているよ😊✨
鉄観音って「高級茶」?「日常使いしやすいお手頃茶」?
鉄観音は “高級茶にもなるし、日常使いのお茶にもなる”、とても幅の広い烏龍茶なんです。
生産量が多く、等級・品質のランクが細かく分かれているため、
- 上質な茶葉 × 手間のかかる製法 × 丁寧な焙煎で仕上げた 特級クラス(高級茶)
- ほどよい品質で、手に取りやすい価格の 標準グレード(普段使い用)
…この両方が存在します。
- 100gで1,500〜3,000円前後
→ 日常使いしやすい“お手頃ライン” - 100gで5,000円以上
→ ていねいに作られた質の高い鉄観音の可能性が高い - 100gで1万円以上
→ かなり高級。熟成茶・特級・希少ロットなど
もちろん、値段だけですべては判断できないけれど、選ぶときの参考にはとても使いやすい目安になります😊
「高級茶」と「お手頃茶」の違いって?見分け方は?
鉄観音は、価格帯が広くて品質もさまざま。
そのため “高級ライン” と “お手頃ライン” に共通する特徴を知っておくと、パッと見で判断しやすくなります。
✐表記・説明文の違いから見分ける
- 産地が細かく書かれている(例:安渓○○村、木柵地区、名間郷など)
- 焙煎・発酵・製法についての説明が丁寧
- 農園名・収穫時期が書かれていることも
🍃茶葉の見た目の違いから見分ける
- 粒が均一で、しっかり締まっている
- 艶があり、色がきれい
- 軽くひねるだけで指に香りが移るほど香りが強い



見た目だけでも、「ていねいに作られているか」がけっこう分かるんだって~💡
☕飲んだときの香り・味の違いから見分ける
- 最初の香り → 中盤 → 後味、と“段階的”に変化を楽しめる
- 嫌な渋みが少なく、後味が長い
- お湯を足しても2〜4煎しっかり美味しい



お茶に詳しくなくても、「なんかこっちのほうが美味しいかも!」ってなんとなくでも体感しやすいポイントなんちゃ✨
初心者が最初に買うならどれ?鉄観音の選び方
初心者さんにおすすめなのは、「台湾の鉄観音(中〜強め焙煎)」 と 「中国・安渓の清香型」 の2タイプです。
台湾は香ばしさと深みがわかりやすく、初めてでもおいしく感じやすいお茶。
中国・清香型は華やかで爽やか、鉄観音らしさを体験しやすいタイプです。
まずはこの2つを飲み比べると、味の方向性がつかめて“自分が好きな鉄観音”を見つけやすくなります。



私はまだ「台湾の鉄観音」しか飲んだことないの!
次は安渓の清香型を試してみようと思ってるところなんだ💕



どっちも手の届きやすい価格帯が多いから、「ちょっと飲んでみたいな」って気軽に始められるんちゃ🌿
お疲れさまでした!今回の学びのおさらいタイム✨
- 鉄観音ってどんなお茶?
-
鉄観音は、烏龍茶の品種のひとつです。
発祥の地である中国・福建省で生産される安渓鉄観音と、台湾で生産される台湾鉄観音(代表的なのは木柵鉄観音)があります。「華やかで強い香り」が特徴のお茶で、
しっかりした香りと、すっきりした後味が楽しめます✨香りの存在感があるため、フレーバーティーのベースにも向いており、
花や果物、ハーブなどの香りを加えた鉄観音も多く見られます🌼🍇 - 中国鉄観音と台湾鉄観音のちがいは?
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中国の鉄観音は、主に
清香型・濃香型・陳香型 の3タイプに分けて紹介されることが多いお茶です。この中で、現在もっとも人気があり、広く流通しているのが、
発酵・焙煎が軽めで、爽やかな香りと味わいが特徴の清香型です。一方、発酵や焙煎が強めの濃香型や、長期熟成させた陳香型は、
深みやコク、香ばしさを感じられる濃厚な味わいが魅力ですが、市場に出回る量は比較的少なく、価格も高めになる傾向があります。台湾の鉄観音は、伝統的に中~強めの焙煎で仕上げられることが多く、香ばしさや深みがしっかり感じられる、濃いめの味わいが特徴です。
日本で「鉄観音を飲んだことがある」という人の場合、台湾鉄観音に親しんでいるケースも多いかもしれません。
飲食店でも比較的よく扱われている、身近なお茶です。 - 鉄観音はどんな人におすすめ?
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台湾の鉄観音は、日本人が思い浮かべる「烏龍茶」のイメージにいちばん近い烏龍茶だと感じます。
そのため、「烏龍茶はわりと好きだな」と思った記憶がある方であれば、大きな違和感なく、おいしく飲めることが多いです。(※あくまで私個人の意見です)
一方、中国の鉄観音はタイプによって味わいに違いがあります。
はじめての方は、香りがさっぱりして飲みやすい清香タイプから試してみるのがおすすめです💡



台湾の鉄観音しか知らなかった私にとって、今回あらためて鉄観音について学んだことで、
知れば知るほど印象が変わる、面白いお茶だと感じたよ!



こんど中国の鉄観音も飲んでみたら、味わいや違いをレポしていく予定ちゃ✨
よければ、また読みに来てちゃ~🌿





